アレクセイ・リュビモフ(フォルテ・ピアノ)Alexey Lyubimov
1944年モスクワ生まれ。63年モスクワ音楽院に入学、H.ノイハウス最後の弟子となる。若干16歳で、全ロシア・ピアノ・コンクール優勝、その後本格的にコンサート活動を始める。演奏家としてだけでなく、現代作曲家の紹介にも意欲的で、68年にはジョン・ケージ、テリー・ライリーをモスクワに紹介、その他75年までに、シュニトケ、グバイドゥリーナ、シルヴェストロフを紹介、その作品を演奏し大きな反響を呼んだ。88年、モスクワの前衛フェスティヴァル"アルテルナティヴァ"の創設者兼音楽監督となる。
80年代はオリジナル楽器演奏をエネルギッシュに行い、その分野の専門家として名声を確立。特にハープシコード、フォルテ・ピアノでは先駆者となり、「モスクワ・バロック・カルテット」、「モスクワ室内アカデミー」などの古楽グループを結成、現代音楽、古楽と幅広いレパートリーを持つ。
87年以降、ロシアだけでなくアメリカ、ヨーロッパ、日本にも活動の場を広げ、これまでにモスクワ交響楽団、ヘルシンキ交響楽団、ロンドン・ロイヤル・フィルハーモニー、ウィーン・アカデミー室内オーケストラといった数々の一流オーケストラと共演している。ミュンヘン音楽祭、ザルツブルク音楽祭にも参加、アシュケナージ、ロジェストヴェンスキー、ヤルヴィといった第一線で活躍する指揮者との共演も数多い。
最近、ザルツブルク・モーツァルテウム教授に就任。70年から80年代にかけて、ロシアのレーベル"メロディア"で30以上のレコーディングを行っている。エラートからは、フォルテ・ピアノによるモーツァルト・ソナタの完全版、シューベルト作品、ショパン作品、ベートーヴェン作品、ブラームス作品が、またBIS、SONYからは20世紀音楽作品のCDが出されている。
今回リュビモフが北とぴあで演奏するのは、1997年の第3回北とぴあ国際音楽祭以来5年ぶり。前回のシューベルト、ブラームス演奏に勝るとも劣らないモーツァルトを披露してくれるはずである。今回のプログラムでは、リュビモフの即興演奏も楽しめる